魚焼きグリルが付いていないトースターしかない……そんなときでも、実はトースターで焼き魚は十分に美味しく作れます。ここでは、トースターで焼き魚を失敗なく仕上げるための具体的な方法や加熱時間の目安、注意点をわかりやすく解説していきます。
まず確認したい「トースター」の種類
この記事で扱う「トースター」は、いわゆるオーブントースターのことです。パンを縦に差し込むポップアップタイプのトースターではありません。オーブントースターは庫内が横長または縦長になっていて、天板や網が付属しているタイプのものを指します。
お持ちのトースターがどちらのタイプか、まずは確認してみてください。
トースターで焼き魚を美味しくするための下準備
焼き魚を成功させるには、焼く前の下準備がとても大切です。ここをしっかりやっておくだけで、仕上がりがぐっと変わります。
魚は必ず常温に戻す
冷蔵庫から出したばかりの冷たい魚をそのままトースターに入れると、中まで火が通りにくくなります。焼きムラや生焼けの原因になるため、焼く30分前くらいには冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。
冷凍の切り身を使う場合は、必ず冷蔵庫で解凍するか、電子レンジで半解凍(500Wで1〜2分程度)してから調理を始めてください。冷凍のまま焼こうとすると、表面が焦げても内部が生のままというリスクが高まります。
水分をしっかり拭き取る
魚の表面に付いた水分をキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。このひと手間を省くと、焼き上がりがベチャッとしたり、生臭さが残ったりしやすくなります。特に生の切り身は意外と水分が多いので、しっかり拭き取るのがポイントです。
両面に軽く塩をふる
焼く直前に、両面に軽く塩をふります。塩をふることで余分な水分が引き出され、身が引き締まって旨味が増します。また、生臭さを和らげる効果も期待できます。
トースターで焼き魚を焼く2つの方法
トースターで魚を焼く方法は、大きく分けて「アルミホイル包み焼き」と「直置き・開放焼き」の2つがあります。それぞれ特徴が異なるので、自分の好みや仕上がりイメージに合わせて選びましょう。
1. アルミホイル包み焼き(蒸し焼き)
魚をアルミホイルで包んで焼く方法です。庫内の汚れや油はねを防ぎやすく、後片付けがラクなのが最大のメリットです。
- 特徴:アルミホイルで包むことで蒸気がこもり、ふっくらとした仕上がりになります。
- メリット:生焼け防止になる。庫内が汚れにくい。油はねの心配が少ない。
- デメリット:皮がパリッと焼けにくい。焼き色が薄くなりがち。
- 向いている人:後片付けをなるべく簡単にしたい方。脂の多い魚(サバなど)を焼く場合にも向いています。
包み焼きの手順と加熱時間の目安
- アルミホイルを魚の大きさの2倍ほどに切ります。
- ホイルの中央に魚を置き、両面に塩をふります。
- ホイルで魚を包みます。完全に密閉しなくてもOKですが、ある程度包み込むようにします。
- 予熱なしのトースターで、片面6分を目安に焼きます。
- 裏返してさらに5分ほど焼きます。合計で約11分が目安です。
機種やワット数によって焼け具合は変わります。焼き上がりの目安は、ホイルを開けて魚の身に箸がスッと通るかどうかで確認しましょう。
2. 直置き・開放焼き
トースターの付属網や天板に直接、またはクッキングシートを敷いて魚を置き、包まずに焼く方法です。
- 特徴:余計な水分が飛び、皮がパリッと香ばしく焼き上がります。
- メリット:香ばしさと焼き色がしっかり出る。
- デメリット:油はねが発生しやすく、庫内が汚れやすい。焦げ付きに注意が必要。
- 向いている人:焼き魚らしい香ばしい仕上がりを重視する方。
直置き焼きの手順と加熱時間の目安
- 網または天板にクッキングシートを敷きます(庫内の汚れ防止のため)。
- 魚の両面に塩をふり、水分を拭き取ったらシートの上に置きます。
- 予熱ありのトースターで焼くと、表面がカリッと仕上がりやすくなります。
- 片面5分を目安に焼き、裏返してさらに5分。合計で約10分が目安です。
直置きの場合は油はねが気になることがあります。庫内の受け皿にごく少量の水を張ると、油はねが少し軽減されることがありますが、水を入れすぎると沸騰してヒーターに掛かる危険性があるので注意してください。
トースターのワット数と加熱時間の調整について
トースターの火力は機種によって大きく異なります。最近のトースターは1000Wを超えるモデルが多く、昔ながらの600W程度の機種とは加熱時間が変わってきます。
上で紹介した加熱時間はあくまで目安です。初めて焼くときは、必ず途中で様子を確認しながら加熱時間を調整するようにしてください。
- ワット数が高い(1000W以上):加熱時間を短めに設定する
- ワット数が低い(700W前後):加熱時間をやや長めに設定する
焼き上がりの判断は、魚の中心部分に箸を刺してみて、スッと通ればOKです。断面が白く濁っていて、透明感がなくなっていれば火が通ったサインです。
トースターで焼き魚をするときのよくある疑問
Q. 予熱はしたほうがいいですか?
どちらの方法にも言えますが、予熱ありのほうが表面がカリッと仕上がりやすくなります。ただし、アルミホイル包み焼きの場合は、予熱なしでもふっくらと仕上がるため、手間を省きたいときは予熱なしでも問題ありません。
Q. 裏返す必要はありますか?
トースターの加熱は上部ヒーターからの輻射熱がメインのため、基本的に裏返しが必要です。オーブンのように庫内全体が対流加熱されるわけではないので、片面だけでは均等に火が通りません。必ず途中で裏返すようにしましょう。
Q. 生臭さが気になります。どうすればいいですか?
下準備でしっかり水分を拭き取ること、そして塩をふることが基本です。さらに、焼く前に酒をふりかけたり、生姜の薄切りをのせてから焼くと、生臭さがさらに和らぎます。
Q. 油はねがひどいのですが、何か対策はありますか?
油はねが気になる場合は、アルミホイル包み焼きを選ぶのが確実です。直置き焼きの場合は、魚の上にアルミホイルをかぶせて「ふた」をする方法もあります。ただし、ふたをすると蒸気がこもって皮がパリッとしにくくなるので、好みに合わせて使い分けてください。
トースターで焼き魚をするときの注意点
- やけどに注意:焼き上がった魚やアルミホイルは非常に熱くなっています。取り出すときは必ずトングや耐熱手袋を使用してください。
- 庫内の受け皿に水を入れすぎない:受け皿に水を張るときは、ごく少量にとどめてください。多すぎると沸騰してヒーターに水が掛かり、故障や危険を招くことがあります。
- 魚の厚みで時間を調整する:切り身の厚みが2cmを超えるようなものは、上記の目安よりやや長めに焼く必要があります。
- 様子を見ながら焼く:目安時間はあくまで参考です。焼き始めてから5分経過したら一度庫内を確認し、焦げそうなら温度を下げるか、アルミホイルをかぶせるなどの対応をしましょう。
焼き魚用のトースター選びに迷ったら
「トースターで焼き魚をやってみたけど、やっぱり面倒だな」と感じた方や、「もっと手軽に焼ける製品が欲しい」という方には、魚焼きグリル付きのトースターも選択肢のひとつです。
バルミューダ トースター や パナソニック トースター、象印 トースター など、メーカーによってはグリル機能が充実したモデルもあります。専用の魚焼きプレートが付属しているものなら、裏返し不要で両面同時に焼けるため、さらに手軽に焼き魚を楽しめます。
ただし、価格は15,000円〜30,000円程度と一般的なトースターより高めです。頻繁に魚を食べる方や、毎日の調理をよりラクにしたい方に向いています。
まとめ
トースターで焼き魚を美味しく作るには、下準備をしっかり行うことと、焼き方の特徴を理解して使い分けることが大切です。
- ふっくら仕上げたい、後片付けをラクにしたい → アルミホイル包み焼き
- 皮をパリッと香ばしく仕上げたい → 直置き・開放焼き
加熱時間は機種や魚の厚みで変わるため、目安を参考にしながら様子を見て調整してください。最初はうまくいかなくても、何度か試しているうちに、お持ちのトースターに合った焼き加減がわかってくるはずです。
ぜひ今日の夕食に、トースターで焼き魚に挑戦してみてください。

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