オーブンを持っていない。あるいは、大きなオーブンを出すのが面倒で、手持ちのトースターでなんとかならないか──そんなふうに思ったことはありませんか?
実際、トースターはオーブンの“完全な代わり”にはなりません。でも、ちょっとしたコツと正しい知識があれば、思っているよりずっと多くの料理をカバーできます。
この記事では、オーブンとトースターのちがいをわかりやすく説明しながら、どんな料理が代用できるのか、逆にどんな料理はむずかしいのかを整理します。さらに、オーブン代わりにトースターを使うときの注意点や、トースターを選ぶポイントもあわせて紹介します。
これを読めば、「オーブンの代わりにトースターでどこまでできるか」がはっきりわかるはずです。
そもそもオーブンとトースターは何がちがうの?
まずは、オーブンとトースターの“しくみのちがい”をざっくり理解しておきましょう。
加熱のしくみが根本的にちがう
オーブンは、庫内全体を一定の温度に保ちながら、食材をじっくりムラなく加熱するのが得意です。上ヒーターと下ヒーターの両方を使い、設定した温度(たとえば160℃や200℃)をキープしながら焼き上げます。
いっぽう、トースターは基本的に“上からの熱”が主体です。ヒーターの出力を調整することはできても、庫内の温度を「設定温度に保つ」という機能を持っている機種は多くありません。つまり、オーブンのように「160℃で30分」という使い方には、そもそも向いていない構造なんです。
庫内の広さも大きくちがう
オーブンは大きな天板やケーキ型が入るサイズが一般的ですが、トースターは庫内がコンパクトです。そのため、一度にたくさん焼くことや、大きな料理を作ることはむずかしいというのも、代用を考えるうえでの大きなポイントになります。
オーブンの代わりにトースターでできる料理・できない料理
ここからが本題です。トースターで“どこまでオーブン料理を代用できるのか”を、具体的に見ていきましょう。
トースターで代用しやすい料理
次のような料理は、トースターでも比較的代用しやすいといわれています。
- グラタン・ドリア
- ピザ(小さめのもの)
- クッキーやスコーンなどの焼き菓子(小ぶりなもの)
- 焼き魚
- ミートローフ(コンパクトに成形したもの)
- 野菜のグリル焼き
これらの料理に共通するのは、「上からの熱でこんがり焼き色をつけたい」「比較的短時間で仕上がる」という点です。オーブンのように庫内全体を温める必要がなく、トースターの“直火感”がむしろ生きる料理も多いんです。
トースターで代用がむずかしい料理
いっぽう、以下のような料理はトースターでの代用がむずかしいとされています。
- 大きなスポンジケーキやパウンドケーキ
- パン(食パン一斤分など)
- ローストチキンなどの大きな肉料理
- 長時間じっくり加熱する煮込み料理
- 天板に複数並べて一度に焼く料理
これらの料理は、庫内の広さや均一な温度管理が必要なため、どうしてもオーブン向きです。トースターで無理に作ろうとすると、表面だけ焦げて中が生焼けになるなど、失敗しやすくなります。
トースターをオーブン代わりに使うときの3つのコツ
では、どうすればトースターでオーブン料理をうまく再現できるのでしょうか。ここでは、実践しやすいコツを3つ紹介します。
1. アルミホイルやクッキングシートを上手に使う
トースターは上からの熱が強いので、表面が焦げやすいのが悩みどころです。そこで役立つのがアルミホイルやクッキングシートです。
- 焼き色がついたら、上からアルミホイルをかぶせる
- 庫内の天板にクッキングシートを敷いて、直接の熱をやわらげる
これだけで、焦げすぎを防ぎながら、中までしっかり火を通しやすくなります。
2. 温度設定ができるトースターを選ぶ
オーブンの代わりを考えるなら、温度調節機能がついたトースターはほぼ必須です。温度設定ができないタイプのトースターでは、加減がむずかしく、再現性のある調理がしにくくなります。
最近では、100℃〜250℃くらいまで設定できるオーブントースターも多く販売されています。特にクッキーやスコーンなど焼き菓子を作りたいなら、温度調節機能を重視して選ぶとよいでしょう。
3. レシピの温度・時間をそのままにしない
オーブン用のレシピを、そのままトースターで再現しようとするのは危険です。オーブンよりも庫内が狭く、熱の通り方がちがうので、焼き時間や温度は必ず調整が必要です。
目安としては、レシピの温度より10℃〜20℃低めに設定し、焼き時間も短めにスタートして、様子を見ながら追加で焼くようにすると失敗しにくくなります。
オーブン代わりになるトースターの選び方
「だったら、オーブン代わりに使えるトースターを新しく買いたい」という人のために、選ぶときのポイントを整理しておきます。
温度調節機能の有無
まず最優先したいのが、温度調節機能があるかどうかです。前述のとおり、オーブン代替を考えるなら必須の機能といえます。できるだけ細かく温度設定ができるモデルを選ぶと、レシピの再現性が高まります。
庫内の広さ(天板のサイズ)
庫内が広いほど、一度に調理できる量が増えます。市販のグラタン皿が入るか、小さなケーキ型が入るかを確認しておくと安心です。自分が作りたい料理のサイズをイメージしながら選びましょう。
ヒーターの種類と配置
ヒーターの種類も、焼き上がりに影響します。遠赤外線ヒーターを搭載したモデルは、食材の内部まで熱が届きやすいといわれています。また、上下両方にヒーターがあるモデルは、よりオーブンに近い加熱が期待できます。
トースターをオーブン代わりに使うときの注意点
最後に、安全面や失敗を防ぐための注意点をまとめておきます。
取扱説明書を必ず読む
当たり前のことですが、使う前に取扱説明書の安全上の注意事項を必ず確認してください。特に、庫内で使える調理器具の素材やサイズは、機種によって制限があります。金属製の容器が使えないものもあるので注意が必要です。
長時間の連続使用を避ける
トースターはオーブンに比べて、長時間の連続使用を想定していないモデルが多いです。長時間使い続けると、故障の原因になったり、最悪の場合火災リスクが高まることも考えられます。どうしても長時間使う場合は、一度電源を切って庫内を冷ましながら、こまめに間隔をあけて使いましょう。
庫内を清潔に保つ
油はねやパンくずが庫内にたまると、発煙や発火の原因になります。使用後は庫内をしっかり拭き、清掃することで安全に使い続けられます。
よくある質問
Q. トースターでケーキは焼けますか?
小さなマフィン型やシフォンケーキ型を使えば、焼くことは可能です。ただし、大きなスポンジケーキは庫内に入らないか、入っても均一に焼けないことが多いです。どうしても作りたい場合は、小さめの型を使い、温度を低めに設定してじっくり焼くのがポイントです。
Q. トースターでグラタンは作れますか?
作れます。むしろ、グラタンはトースターが得意とする料理のひとつです。ただし、表面が焦げやすいので、焼き色がついたらアルミホイルをかぶせるなどの工夫をすると、きれいに仕上がります。
Q. オーブンのレシピをそのままトースターで使えますか?
基本的にはそのまま使えません。温度や時間を調整する必要があります。目安として、温度は10℃〜20℃低めに、時間は短めに設定し、様子を見ながら調整するようにしてください。
Q. オーブンとトースター、電気代はどちらが安いですか?
一般的にトースターのほうが消費電力が小さい傾向があるため、短時間の調理であればトースターのほうが電気代を抑えやすいといえます。ただし、機種や調理時間によっても変わります。正確な数値は各製品の仕様を確認してください。
まとめ:オーブンの代わりにトースターを使うなら、できること・できないことを理解して上手に活用しよう
オーブンの代わりにトースターを使う場合、万能な代替にはなりませんが、料理によっては十分に活躍してくれることがわかったでしょうか。
重要なのは、「トースターはオーブンと同じではない」という前提をしっかり持つこと。そのうえで、温度調節機能のある機種を選んだり、アルミホイルを使ったり、レシピを調整したりすることで、トースターでもおいしい料理を作ることは十分可能です。
もし今お持ちのトースターで物足りなさを感じたら、オーブン機能が充実したモデルへの買い替えを検討するのもひとつの手です。
どちらにしても、まずはできることから試してみて、トースターの特性を活かした楽しい調理をしてみてくださいね。

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